海外FXで利益を上げるためには、為替レートの動きを予測する制度を上げる必要があります。FXの主な分析方法は、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の2つです。
今回は海外FXの長期投資でおすすめの分析方法であるファンダメンタルズ分析について詳しく説明をします。
わかりやすく説明をするので参考にしてください。
ファンダメンタルズ分析
為替レートは、各国の経済動向や政策に影響を受けて変動します。
経済成長率や物価変動、財政支出の規模などのデータをもとに相場の動向を予測する分析手法がファンダメンタルズ分析です。
政府や中央銀行のトップなど、為替に影響を与える可能性がある要人の発言もファンダメンタルズの要因に含めて考えられます。
ファンダメンタルズ分析において、重要な指標はFOMC 6政策、金利の発表やアメリカの雇用統計等です。発表前後の為替レートは大きく動きますので注意しましょう。
海外FXの値動きに影響を与える7つの要因
為替相場は、さまざまな要因が作用します。値動きに影響があると考えられる7つの要因を以下に紹介します。
- 政治的な要因
- 経済指標の発表
- 戦争や災害などの地政学的リスク
- 中央銀行の為替介入
- 金利差の拡大
- 貿易収支
- 投機筋の動き
それぞれの要因が連動した結果、FXの値動きが激しくなる場合もあるので、海外FXで取引する際には最新ニュースをチェックしておいたほうがよいでしょう。
1. 政治的な要因
新しい政権が誕生するなど内政状態の変化、外交問題など政治的な要因によって経済動向も影響を受けます。貿易に関する状況の変化、たとえば関税の強化や緩和は相手国の経済の動向にも関わるでしょう。
「投資先として魅力的な国だ」と投資家たちが考えれば、通貨の価値は上昇すると考えられます。逆に「先行きが不透明」「景気がよくない」などと判断されると投資されていた資金は流出し通貨価値は下落する可能性があります。
2. 経済指標の発表
経済指標とは、GDPや貿易収支、消費者物価指数（CPI）の鉱工業生産指数など各国で発表されるさまざまな統計データのことです。世界最大の経済大国・アメリカの動向、とくに雇用統計や住宅着工件数の発表前後は、短時間に大きく値動きする場合があります。
失業率が下がれば平均所得が増えて個人消費が活発になり、景気には好影響があると考えられるためです。一方、事前の予想よりも発表数字が悪いと悲観的な観測が広がり、一般的にドル安の相場となります。
2022年11月に雇用統計が発表された直後にはドルの価格が急落しました。失業率は3.7％で、3.6％という事前の予想や3.5％という前月の結果の3.5％からも悪化したため、景気動向を不安視する動きが広がったと見られます。
3. 戦争や災害などの地政学的リスク
ある国で戦争やテロなどが起きると、政情不安が広がりやすくなります。その結果、消費や投資も冷え込むため、通貨の価値も下がるというのが一般的な見方です。
戦争や大規模な災害などの結果、基軸通貨であるドルが安全資産として買われる傾向が強いことから「有事のドル買い」と呼ばれる現象が起こります。
1990年代の湾岸戦争や2000年代のアフガニスタン戦争など、実際にドルが買われて大きく相場が動いたケースは多数あります。
4. 中央銀行の為替介入
中央銀行が為替相場の急激な変動を抑えて安定化させるために為替介入を行う場合があります。頻度は少ないものの、一時的に相場は大きく動くでしょう。
2022年9月には急速な円安進行を抑えるため、日銀によって24年ぶりとなるドル売り・円買いの為替介入を実施されました。ただし一般的に市場全体の流れが変わらない限り、為替介入の効果は一時的なものと考えられています。
実際に、為替介入の直後はドル安円高となりましたが、わずか2週間後には相場は元に戻り、その後は介入前よりも円安が進行しました。
5. 金利差の拡大
金利の高い国の通貨は、価値が上がりやすくなります。より金利が高い国で預金や資産運用をしたほうが利益を得やすいため、金利の低い国よりも高い国に資金が集まるのは自然な流れと言えるでしょう。
2022年、日本は金利が低いままでしたが、アメリカは金利をたびたび引き上げました。その結果、1年足らずでドル高円安が大きく進行したのです。
6. 貿易収支
2つの国の間で生まれる貿易収支もFXの値動きに大きな影響を与えます。
日本とアメリカの貿易収支で日本が黒字の場合、日本の手元に残ったドルを円に替えるため、ドル売り・円買いの結果、円高に向かいます。
7. 投機筋の動き
投機筋とは、短期的な売買での利益を狙う投機目的の投資家を指す言葉です。ヘッジファンドや機関投資家の投資額は大きく、彼ら投機筋のトレードは為替価格の変動に大きな影響を与えます。
ファンダメンタルズ分析のメリット
ファンダメンタルズ分析は、企業や資産の基本的な経済的・財務的な要因を評価する手法です。以下は、ファンダメンタルズ分析の主なメリットになります。
投資判断の基盤構築
ファンダメンタルズ分析は、企業の財務状況や業績などを詳細に分析することで、投資判断の基盤を構築します。これにより、投資家は企業や資産の実際の価値を理解し、適切な投資判断を行うことができます。
長期的な視点
ファンダメンタルズ分析はしばしば長期的な視点を持ちます。企業の成長潜在性や持続可能性などを考慮することで、将来の収益性や価値を予測しやすくなります。
企業の健全性の評価
財務諸表の分析を通じて、企業の健全性や安定性を評価できます。優れた財務状況を持つ企業は、市場の変動に対して強く、投資家にとって信頼性が高いと考えられることがあります。
市場の過熱感からの警戒
ファンダメンタルズ分析は、市場が過熱しているかどうかを判断する手段となります。企業の実態に基づいた分析は、単なる市場のヒステリーに惑わされることなく、冷静な投資判断を可能にします。
収益と評価指標の分析
ファンダメンタルズ分析では、企業の収益、利益、キャッシュフローなどの重要な指標を評価します。これにより、企業の成長性や収益性を把握し、投資判断に役立てることができます。
リスクの最小化
ファンダメンタルズ分析は、企業のリスクを洗い出すのに役立ちます。企業が持つ負債、市場リスク、競合状況などを考慮することで、リスクを最小限に抑えた投資を目指すことができます。
ファンダメンタルズ分析は、他の投資手法と組み合わせて利用することもありますが、企業や資産の本質的な価値を評価する上で非常に有益です。
ファンダメンタルズ分析のデメリット
ファンダメンタルズ分析にはいくつかのデメリットも存在します。以下はそのいくつかです。
情報の遅れ
財務諸表や企業の公表情報が定期的に提供されるため、これらの情報が市場で反映されるまでに時間がかかります。市場は常に変動しており、過去の情報だけでは現在の状況を正確に反映できない可能性があります。
予測の難しさ
将来の経済状況や企業の業績を正確に予測することは難しいです。市場は予測不可能な要素や外部の出来事によって影響を受けるため、予測が必ずしも現実を反映するとは限りません。
主観的な要素の影響
ファンダメンタルズ分析には主観的な判断が不可避であり、異なるアナリストや投資家が同じデータを異なる解釈できます。主観的な要素が入ることで、分析結果にばらつきが生じる可能性があります。
市場心理の影響
ファンダメンタルズ分析は企業や資産の基本的な価値を評価する手法であり、市場心理やトレンドの影響をあまり考慮していません。市場の心理的な要因が価格に影響を与えることがあり、これを無視することがデメリットとなります。
複雑性と情報過多
ファンダメンタルズ分析には膨大な量の情報が関与します。企業の財務諸表や経済指標、業界の動向など多岐にわたります。これにより、情報過多に陥りやすく、分析の複雑性が増す可能性があります。
短期的な価格変動への対応の難しさ
ファンダメンタルズ分析は通常長期的な視点を持っていますが、市場は短期的な変動も絶えず発生します。短期的な価格変動に対処するためには、テクニカル分析など他の手法との組み合わせが必要です。
これらのデメリットを考慮しながら、投資家はファンダメンタルズ分析を行う際に注意深く取り組む必要があります。また、他の分析手法と組み合わせて使用することが、より包括的な投資判断を下す上で有益である場合があります。
テクニカル分析とは
テクニカル分析は、チャートをもとに値動きのサイクルやトレンドを予測する分析手法です。
過去の値動きを示すチャートが重要なのはもちろんのこと、さまざまなテクニカル指標も組み合わせて分析します。
移動平均線やローソク足などの名前は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。ほかにもボリンジャーバンド、RSIなど世界中で使われているテクニカル指標は数十種類以上あります。
テクニカル分析でおすすめの移動平均線とは
移動平均線は、海外FX取引において最も一般的に使用される技術指標の一つです。移動平均線は、一定期間の価格の平均値を計算して、線で表したものです。一般的に、過去の価格データを元に計算されるため、トレンドを分析するのに使用されます。
移動平均線にはいくつかの種類がありますが、以下に代表的な3つを紹介します。
単純移動平均線（SMA）：一定期間の価格の単純な平均値を計算して線で表したものです。例えば、20日SMAは、過去20日間の終値を合計し、その合計を20で割った値を表します。
指数加重移動平均線（EMA）：SMAよりも最近の価格に重みを置いた移動平均線です。EMAは、最近の価格データに大きな影響を受け、過去の価格データには小さな影響を受けます。
加重移動平均線（WMA）：価格の変動が大きい場合、最近の価格に大きな重みを置くようにした移動平均線です。WMAは、EMAよりも最近の価格に重きを置きますが、過去の価格にも少し影響を与えます。
移動平均線は、トレンドを分析するだけでなく、サポートやレジスタンスのラインとしても使用されます。例えば、20日SMAが上昇している場合、トレンドは上昇していると見なされ、価格が20日SMAに近づくと買い注文が入りやすくなります。逆に、20日SMAが下降している場合、トレンドは下降していると見なされ、価格が20日SMAに近づくと売り注文が入りやすくなります。ただし、移動平均線も他の技術指標と同様に、完全に正確な予測をすることはできません。トレーダーは、移動平均線を参考にして相場の方向性を判断する際には、他の要因も考慮する必要があります。
まとめ
今回は海外FXの主な分析方法であるテファンダメンタルズ分析について説明をしました。
また為替相場が動く要因についても説明していますので、それぞれの分析方法の役に立てていただければ幸いです。
海外FXで利益を上げるためには為替の動きの予想精度を上げる必要があります。ご自身に合った分析手法を選びましょう。